即興的言葉でつづられるこの書物の存在が意図されたとすれば、あなたへの挑戦に他ならない。
たなかあきみつ「静かなるもののざわめき P・S」
詩集, 2019/11/20発行, A5判, 並製, 2,530円(税込)
Publishing and Printing
本の雑誌2019年6月号「新刊めくったガイド」コーナーで、古溝真一郎詩集『きらきらいし』が紹介されました。
「子との生活、労働、生きるためのさまざまな営み。日常とひとくくりにされ、見過ごされるはずの時間がたまたま言葉になった、というような心地よい軽みがあり、どの一連にも自分や自分を知る誰かのことが書かれている気がした。
言葉は物事に名前をつけ型にはめることも容易にできるし、ひろいあげて丁寧に分解することもできる。小説や詩に触れることは、言葉にすることのあやうさと愉楽を、いつもひとしく思いおこさせる。」
――大塚真祐子
古溝真一郎「きらきらいし」
詩集, 2019/01/22発行, A5判変形 並製 小口折, 1,650円(税込)
西日本新聞 「カリスマ書店員の激オシ本」で『歩きながらはじまること』が紹介されました。
300ページを超える分量の詩は、急ぎ足で読み進めることを拒むかのように、ゆっくりとした時間軸の線上に読者を連れてゆく。そして、それまで文字の上を早歩きするような読書をしていたことに気づかされる。(中略) 彼の詩を読んでいると、人、動物、植物と分けることで見失ってしまいがちな生命それ自体を思う。人の都合で分け隔てているのかもしれない様々な命との境界線がぼんやりとしてくる。弱者、強者、病む人、健全(らしい)人、などという隔てにしてもだ。ただ生命として眺めたい。この詩集は生命賛歌だと思った。
――城下康明(ひとやすみ書店)
平明で穏やかな文体で、奈良の自然や日々の発見、思い出についてなどが、気負いなく綴られる。 日常の言葉遣いの延長線上にあるようでいて、必然的に置かれた一語一語は風通しのよい朗らかな詩心にあふれている。詩人は、見つめる対象に深入りせず、けれど、交感の温もりがわからなくなるほどには相手から離れない。心地よい距離の間を風が通り抜け、風の導きによって、読み手の五感の領域は伸びやかに広がってゆく。
──峯澤典子(現代詩手帖 2018年6月号「詩書月評」)
上膳水如という銘柄の日本酒があるけれども、あまりにも善いものは、まるで味がしないかのように感じてしまう。安曇野のわさび農場の水路を音もなく流れる大量の水。心の重力の内側にぐっとテンションをかけて極度の集中をすると、ふっと《静か》が気持ちの底に翳を落とす。(中略)やわらかいようでいて芯が強い。チクセントミハイはかつてそれを《フロー状態》と名づけたようだが、そんな稀有な心のありかたを描いためずらしい詩集として、西尾勝彦さんの『歩きながらはじまること』を読んでいる。 「ゆるやかに/自転車を/漕ぐ/いつもの/町を巡り/家に帰ってくる/そして/古い詩を読んで/眠る」(「休日」全篇)。この「古い詩を読んで」という結びに、なぜかドイツあたりの田舎の、川辺の村の陽だまりの午後を思いだした。何ともよいではないか。座右に置いて、繰り返し、読みついでいきたい詩集である。
──田中庸介(図書新聞 2018/6/9)
西尾勝彦「歩きながらはじまること」
詩集, 2018/03/07発行, 四六判変形 並製, 2,200円(税込)
英文雑誌「BCCJ」(2018,1月号)に「新編 星の雫」の書評が掲載されました。
俳句とは日本の表現豊かな短詩型であるが、専門知識のない人々にとって俳句のことはわかりにくい。だが、星をテーマにしたこの作品は読者にとってこの文学の形へ入る良いきっかけになるだろう。(中略) to the living to the dying spring moon (生きるもの死にゆくものに春の月) 日本の俳句に特徴的な並置的表現と季節のテーマは英訳を読んでいても敬意を表するものである。各句を映像化し、青山氏の思いの根源を考えながら、英訳でも句から句へと大変読みやすい。そうしているうちにいつしか私たち自身の人生へも思いをはせている
――マクシーヌ・チェイニー
新編 星の雫
句集, 2017/01/12発行, 四六判 上製カバー付, 2,200円(税込)
図書新聞 に「いまよみがえる 戦後詩の先駆者たち」の書評が掲載されました。
戦後詩史という視点を持って、それぞれ個別の詩人たちの表現を辿ることも重要なことに違いないが、戦時下を通過しての戦後であることを考えれば、本書のように表現の場がどのようにかたちづくられ、どのような詩人たちが集い、切実に表現行為を再開していったのかということに照射していくことは、わたしなら当然のことのように思う。(中略)「荒地」と「列島」の間にある異和を象徴する戦後詩という迷宮を、しばしば暗澹たる思いで感受してきたわたしにとって、本書に接し、多くの詩人たちの躍動する像を戦後詩の時空間として見通すことが出来たことは大きい。
――皆川勤(2/24図書新聞)
いまよみがえる 戦後詩の先駆者たち
評論集, 2018/01/20発行, A5 並製カバー付, 2,200円(税込)
図書新聞 に「あのとき冬の子どもたち」の書評が掲載されました。
静けさのなかに潜む危うさ。それがどの作品にも感じ取れる。寂しい、わびしい、痛ましい、それでいてとびきり美しい詩集の誕生だ。
――平田俊子(共同通信3月配信記事)
きれぎれに手渡される命の瀬戸際とでもいえばいいだろうか。とはいえ、すべての詩行が不思議な明るさに包まれている。私たちは、どこにいようとどのような関係に置かれていようと、本来そのような刹那を生きているのだ。
――細見和之(3/21神戸新聞)
この詩集はひとつひとつの詩語が、わたしに語りかけてくるかのように聞こえてくる。それは、しかし、静かに、何かを強く伝えたいというのではなく、独り言のようでもあり、吐息のような呟きでもあり、遠くを見つめながら小さな声で歌っているようでもある。読み終えて、この詩集を閉じてみると、わたしは水が流れるような物語の中にいた。
――皆川勤(3/25図書新聞)
あのとき冬の子どもたち
詩集, 2017/02/01発行, 四六版 並製カバー付, 1,320円(税込)
▼ 新刊からお勧めの一冊をご紹介
▼ 聴く人を解放するSOUND ACID!新感覚CD「音の詩集」です。
響音遊戯 3
ガールフレンド
原作 川口晴美詩集 「ガールフレンド」
1. 夏の部屋
2. ブルーなシーツ
3. ペーパープール
4. レッスン
5. 濁った朝
6. 夜中にコンビニエンスストアへおにぎりを買いに行く
7. 寒気
▼ 長く愛読されている一冊
オノツバサ詩集『やさしく象にふまれたい』が「第8回日本タイトルだけ大賞」を受賞しました。
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榎本櫻湖詩集『空腹時にアスピリンを飲んではいけない』が毎日新聞10/28夕刊に紹介されました。
城戸朱理「詩の遠景近景 裸眼で見つめ直す世界」
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『ひかりの途上で』の書評が掲載されました。
2013年11月4日 京都新聞 発行号
「詩歌の本棚」河津聖恵氏
2019.12.01 |
新刊 静かなるもののざわめき P・S |
2019.11.16 |
新刊 吉田 新版 |
2019.11.11 |
新刊 夢織人 |
2019.11.09 |
新刊 青色とホープ 新刊 爆音と泥濘 新刊 三島由紀夫 新刊 虚の栖 新刊 てんでんこ 12号 |
2019.10.26 |
新刊 のほほん手帖2020 |
2019.10.21 |
新刊 馬券と人生 |
2019.09.19 |
新刊 量 |
2019.07.22 |
新刊 うみにかえりたい |
2019.05.26 |
新刊 インド回想記 |
2019.05.25 |
新刊 ガバッと起きた 新刊 わたしの骨格 |
2019.05.19 |
新刊 うみのほね |
2019.04.15 |
新刊 白であるから |
2019.04.14 |
新刊 洗濯屋さん道元 |
2019.04.13 |
新刊 自殺 |
2019.04.04 |
新刊 ぜんぶ、嘘 |
2019.03.09 |
新刊 のほほんと暮らす |
2019.02.14 |
新刊 方丈の猫 新刊 チャイナ・カシミア |
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フーコの日日雑記 (皆川勤氏の書評)
・ 阿賀猥のふたつの詩世界を読む、そして聴く
・ 『田中恭吉―生命の詩画―』の世界
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