作品詳細

会社の定年

会社の定年

池田久雄

「おっさん」は詩人になる!

池田久雄は世界を駆け回ったキャリアをもって65歳で定年を迎えた。
余暇の行きつく先が「詩」であった。「生きているついでに」書かれた詩は「そうそう! あるある!」と頷いてしまう。
詩集は4部に分けられている。1部「会社をやめると」。2部「出世の階段」。3部「ありのままの自分」。4部「散文詩」。それぞれの時代を行き交う詩は、自在な視点を持って生きてきた「おっさん」の存在の重みである。
熟年のユーモアとペーソスをお楽しみください。

会社に行かなきゃ


昨夜つまらんことでかみさんと喧嘩
おまけに赤ん坊の夜泣きで睡眠不足
でも朝になったら会社に行かなきゃ
深夜の台風で電車は止まったまま
おまけに近くの川の氾濫で床下浸水
でも朝になったら会社に行かなきゃ
泥水跳ねかせ駅までダッシュ
電車が動いたら押し合いへし合い
這いつくばってでも会社に行かなきゃ

(中略)

会社は生活の糧以上に自己実現の修行の場
ぼくと会社の絆は即ちぼくと社会の絆
なぁんて格好つけちゃってさ 本音はね
会社はかみさんの愚痴と小言からの避難場所
時間が潰せお金が貰え世間を渡れる人生広場

さあ 明日こそしゃきっと会社に行かなきゃ
(Ⅱ出世の階段「会社に行かなきゃ」より抜粋)

詩集
2019/01/01発行
四六判 並製、小口折

1,620円(税込)