作品詳細

百聞

百聞

もりおかだいち

だし巻きと 余生で茶の沸く にっぽんだ

―まっすぐな/春の/雲の下を/通る/老舗の/お蕎麦屋さんを/左に折れて/ちいさな/踏切を/ひとつ/待つあいだ//つぎの夏のことを/考えていた―

著者第一詩集。この小さな本には、やわらかで、さりげなく、すぐに忘れてしまうような、ちょっとした瞬間が詰まっている。


夏ですが
粗茶でもどうぞと
気を持たせ
いいえと言われる
そこの角まで


なすび
びわ
わさびな
なつの
のれんごし
そこをくぐるなと
店主に言われて

詩集
2017/10/26発行
四六変形 並製

550円(税込)