作品詳細

聖者の影を踏まずに歩くために

聖者の影を踏まずに歩くために

随想2006,1~2009,5

本村俊弘

日々の生活を淡々と、かつ克明に記録する詩人の日記。
本書はその三冊目になるが、著者は完成を待たずに帰らぬ人となってしまった。
日記の意図は、誰にも判らぬままとなった。

紹介作品
二〇〇六年(平成一八年) 二月六日(月)晴れ
 午前二時一五分に就寝。午前六時四五分頃に目覚める。小用を足す。再度、布団に潜り込む。午前七時一五分頃に起床する。ブラインドを上げる。ラジオをつけ、NHK・FMでクラシック音楽を聴きながら、動く。洗面所で洗面をし、電気カミソリで髭を剃る。鞄の中身を点検する。午前七時四三分頃に出勤する。携帯ラジオで引き続きクラシック音楽を聴きながら通勤する。午前七時五一分発の各駅停車池袋行きの電車に乗る。コンビニのサンクスでサラダ巻きを買い求める。職場に午前八時三一分頃に着く。午前八時四七分から業務を開始する。午後〇時一一分から地下にある職員食堂で昼食を摂る。献立はご飯に味噌汁、鹿尾菜と揚げ物だった。午後五時五二分頃に退社する。外に出ると寒く、早く家に辿り着きたいと思う。成増駅の電車に乗る。成増駅で下車し、準急森林公園駅行きの電車に乗り換える。東武ストアで発泡酒(350ml)二本とカット野菜とお弁当と貝割れ大根を買い求める。午後六時五六分頃に帰宅する。NHKのニュースを見ながら食事をする。午後八時から『地球ふしぎ大自然――アムールトラ』を観る。午後九時一五分頃に就寝。

日記集
2021/03/31発行
A5変形 並製・小口折

2,200円(税込)